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BSR/サナダテ/Twitterログ三本立て
振り返ったかの竜はほの白い。白い単に月光がそれを縁取り、なのに夜に融けてしまいそうだった。思わず伸ばした指先に、政宗の身体は氷のように冷たかった。「政宗殿、どうか、中へ。お風邪を、」「触るな」睦んだ熱など忘れてしまったかのように、ひどい侮蔑を含む瞳で彼は言った。
六爪を操る指先は太く隆起し、節榑立っている。神話時代の御伽話のように、国のひとつやふたつ掴む事が出来るのではないかと思うその指先ですら、閨では縋るように幸村の肌を探り、その背に爪を立てていた。全てを臆せず掌握する政宗の手はこの世でたった一つ、幸村の肌を愛するのである。
御座成りに着物を着直して、煙管を咥えながら初日の出を臥龍梅の向こうに透かし見る。明け方まで色々していた所為で目に染みるが、拂曉は厳かで尊かった。「政宗殿、」赤い声に呼ばれて振り返る。朝日を頬に受けてばらいろに染めた幸村が、何と声を掛けて良いか考えているようだった。